メッセージ

ベートーベンの「悲愴」で考える2025年からの世界

ベートーベン(1770~1827)ドイツ人
フランス革命(1789~1799)の10年間
絶対王政を倒し、共和政を樹立したことで近代民主主義国家体制の基礎を築いた
1799年ナポレオンのクーデターでフランス革命は終焉
因みにベートーベンとナポレオンは1才違い(ナポレオンが上)

「悲愴」は1797年から1798年頃に完成されたものとされている
私が歌っている曲はピアノソナタ8番「悲愴」第2楽章

民の苦しい生活の上に貴族の贅沢な暮らしというシステムを壊し一人一人の自由と幸せの権利を得ようとした時代
ベートーベンも生涯にわたって自由と差別の問題を訴えてきた
この二楽章は絶望的な悲愴感から回復し希望の光を見出し三楽章のフィナーレに向けてもう一度歩き始める
ベートーベンはこの頃から耳が聞こえにくい症状が始まり、自殺も考える
晩年は目も見えなくなっていく
この曲の素晴らしさは、一音一音が絶望に打ち勝つ希望の音色であること
愛に満ちた光の道しるべ

Infinity

無限 無限の可能性 宇宙との調和 愛と調和

新しい地球

2025年が人類の分岐点となるであろう

2015年パリ議定書で産業革命前と比べ1.5度に抑制すると決められていたが、遂に1.5度を超えました。
2025年を境に気候変動はさらに加速し、単に気温が上下するだけの問題ではなく
夏は40℃を超える猛暑が当たり前となり、冬には予想外の寒波が到来することで農業の現場では農作物の収穫量が激減し食料危機が現実のものとなる可能性が高いと思われます。
自然災害の多発は人々の生活に多大な影響を及ぼします。
2025年以降「異常」と呼ばれる現象が「日常」へと変わる可能性が極めて高いのです。
そして日本では「南海トラフ地震」をはじめとする大地震も心配されます。

自然災害は「地球が人類に送るメッセージ」と言われています。
物質主義的な生活や環境破壊が地球のバランスを崩していることへの反動としてこれらの災害が発生しているのでしょう。
2021年に亡くなられた筑波大学名誉教授(細胞遺伝子の研究者)の村上和雄先生の言葉が忘れられません。
「日本の伝統文化が世界を救う」
日本は文化の大国。大自然を敬って、みんなで助け合う伝統と、科学技術と、経済力もある。調和している国は日本しかないと。
ただこうもおっしゃった。
世界の住みたい国の1位は「日本」と答えたのに対して
幸せですか?と尋ねたところ1位はデンマーク、日本は90位でした。
経済的には豊かになったけれど、心の豊かさは失いつつある。
昔は貧しいけれど卑しくなかった。
今は豊かだけれど卑しい。

第二次世界大戦後、日本はアメリカ主導の占領政策を受け教育制度や価値観が大きく変えられてきました。
これにより日本人の精神的な強さや伝統的な価値観が揺らいでしまったのです。

現代社会は急速な変化の中で分断と対立の道を歩もうとし、物質中心の世界が人々の心を傷つけ壊していく。そして地球も壊れていく。
もうそろそろ日本人は目覚める時です。
世界の多くの国々が一神教の中で日本は稀有な多神教文化を持つ国として存在し続けてきました。
単なる文化的な特徴ではなく、人類の精神的な進化における重要な鍵を示しているのです。
日本の神道では八百万の神々が調和して存在しています。
外国の神々さえも排除することなく受け入れてきました。
これは「調和の叡智」です。
この日本の多神教的な調和の知恵は世界でも極めて稀有な存在です。
日本が目覚めれば新たな調和の時代の扉を開くことができます。

村上和雄先生が「日本の伝統文化が世界を救う」とおっしゃったのは、この事だと思います。
今こそ自然と共に生きることを選ぶ時。
人類が自然と調和し、共存する道を選べば未来は変えられます。

私は日本の伝統音楽、雅楽とお琴を学んでいます。
日本の伝統音楽の本当の力は傷ついた魂を癒し浄化する力を持っています。
邦楽(日本)・・・・純正調(半音の中に何十という音がある)
西洋音楽・・・・・・平均律(12音階)
余韻の行方を聴く
自分のひと音を心で聴く

21世紀からは右脳の時代。
目に見える物、科学的に証明された物しか信用されなかったのが左脳の時代。
右脳はインスピレーション、直感、霊的な感覚(芸術は全て右脳)

「欲望と嫉妬」を核とする西洋文化とは異質な所に「日本の精神」はあるのです。
これは文明の衝突といったことではありません。
西洋人も日本人の中に見ようとするものは「西洋のコピー」ではなく「日本の精神性」なのです。
長い歴史文化の中に矛盾や対立を内包してきた奥深さがある。
公家と武家 雅とひなびた茶室 神と仏・・・
別々の魅力が共存した二項対立ではなく「二項同体の魅力」だと思います。
「あはれ」と「あっぱれ」が共存する。

言葉は文化を表す。
感謝する もったいない お陰さま いただきます
ありがとうだけでなく ありがたい

これは日本の素晴らしい文化です。

近年、世界では「物質的な豊かさ」だけでなく「心の豊かさ」を求める動きが強まっています。
ヨガや瞑想スピリチュアルな考え方が普及し、人々の関心が「物質から精神へ」移行しつつあることは事実です。
さらにAIやロボット技術の発展により多くの労働が機械化される未来が近づいています。
そうなれば人々は単なる「労働のための生活」から解放され、より創造的な生き方や精神的な成長に集中する時代になるかもしれません。
これまで経済的に停滞していた日本が新しい精神的な指導者としての立場を確立する可能性があるのです。
AIや量子コンピューターの時代においては人間固有の創造性と直感力が必要とされます。
2025年以降企業の競争力を決定する最重要要因の1つが「精神的知性」
「和」の精神がテクノロジー社会に新たな意味を持つと言われています。
調和型リーダーシップと持続可能な社会システムの模範として日本が世界をリードするでしょう。
そうあってほしいです。

日本の調和の精神が鍵となる。
「物質的豊かさと精神的充実の調和」

人類が長い間追い求めてきた真の自由と平和の道「宇宙」との調和。
「調和」とは宇宙も地球も自然も人も全てが繋がって1つであるということです。
これが悲愴の「Infinity」です。

木本いず美